(道路側から見た建物正面。改修により、右側の玄関から出入りできるようになった)
★民宿室屋(函館市)
こちらの建物は、1909年(明治42年)建築の和風建築です。元は海産物問屋(森卯兵衛商店)の店舗兼住宅だったものですが、現在は民宿になっています。主屋は函館の商店建築としては比較的珍しい純和風ですが、裏側に見える住宅部分はイギリス様式の下見板張り、縦長の上げ下げ窓が並ぶ擬洋風建築です。函館市景観形成指定建造物の木造2階建て。
(函館市街にあるのに、正面外観は純和風。このミスマッチが外国人に人気なのだとか)
狭い正面開口部に対して奥行きがかなり深いのが特徴。何と部屋数は16もあるとか。そしてこの建物で興味深いのが、建物の奥手部分。道路側の和風の作りからは一転して、外壁はイギリス式下見板張り、上げ下げ式の縦長窓、軒蛇腹などが付く、典型的な函館の擬洋風スタイルになっています。道路側の建物脇よりこの下見壁板が続いていることなどを考えると、奥手部分も1909年(明治42年)の竣工当時に建てられたものではないかとも思われます。
(外国からの旅行客にも人気が出てきたみたい。どこからこの建物のことを知ったのだろう?)
昨年あたりから、所有者がボランティアの皆さんと共にリフォームをしてくださったようで、今年初めころから外国人の皆さんのあいだで人気が出てきたようです。
(これまであまり公開されなかった建物内部。玄関からすぐのパブリックスペース・ティールーム)
(建物内部。レトロな雰囲気が外国人に人気だとか)
(こういう、日本のよさには、むしろ日本人のほうが鈍感なのかも知れない)