(李惟台 『和音』、1941年、韓国国立現代美術館)
★日韓近代美術家のまなざし 日韓国交正常化50周年記念事業 展
北海道立近代美術館、2015年9月1日(火)-10月12日(月・祝)
(WEBサイト→)http://www.stv.ne.jp/event/nikkan/index.html(公式HP)
本展は、20世紀前半、日本と韓国の美術家が、朝鮮半島という空間をどのように体験し、どのように表現したかを、初めて一堂に紹介する展覧会です。
当時、日本の統治下にあった「朝鮮」を、多くの日本の美術家が旅行しました。初めて眼にする風景や人々の姿に触発された作品は、みずみずしい感興を伝える一方で、「朝鮮」のイメージを過去の伝統にのみ結びつけてしまう働きももちました。他方、「東洋と西洋」、「伝統と近代」をどう考えるかという課題に対し、「朝鮮」での体験が深い示唆を与えた作品も生まれています。
韓国の美術家は、日本による統治下で、さまざまな社会的限界や矛盾に直面しながら、自らをとりまく世界をみつめ、内面に深く根ざしながら、豊かな表現活動を行いました。彼らの多くが、韓国美術界を牽引する存在となっていきます。
本展ではまた、戦前に「朝鮮」に生活の根をおろして活動した、「朝鮮」在住日本人美術家にも光をあてます。札幌の北海中学(現・北海高校)美術部・団栗会(どんぐりかい)創立会員の佐藤九二男は、京城第二高等普通学校美術教師として活躍し、多くの俊秀を育てました。
日本と韓国は、古来、密接な交流がおこなわれてきましたが、北東アジアにおける周囲との複雑なかかわりの中、両国の関係は平穏なときばかりではありませんでした。20世紀前半には、日本による朝鮮半島の植民地化という不幸な時期を経験しました。しかし1965年の国交正常化以来、友好と親善を深める努力がなされ、未来に向けた創造的な隣人関係がめざされています。
本展は、東洋画、洋画、版画、工芸、彫刻など約200点の作品により、困難な時代に、真摯になされた日韓の美術家の創造の軌跡を紹介するものです。国交正常化50周年の今年、両国の理解と共感をはぐくむ機会となるでしょう。また、北海道とソウル特別市、釜山広域市との姉妹提携5周年、10周年にもあたります。会期中、韓国文化の魅力を体験できる多彩な交流イベントも開催します。ぜひご来館ください。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館(HP)よりお借りしました。
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