(旧チマイベツ浄水場の外観。1937年(昭和15年)建築の産業遺産です)
★旧チマイベツ浄水場(室蘭市)
室蘭市は小さな沢沿いに市街地が形成されたため、水利の便に恵まれなかったそうです。こちらのチマイベツ浄水場は、室蘭市の水利向上を図るため、1937年(昭和12年)に着工、1937年(昭和15年)に竣工したそうです。現在は、旧施設に隣接して、新しい浄水場施設が建てられ、こちらの旧施設は使用されていません。しかし、この施設は室蘭市のみならず、北海道における水道遺産、産業遺産とも言える施設です。このまま埋もれてしまうのは、何とも惜しい気がします。
(廊下はレトロでモダンな雰囲気。とても浄水場内部とは思えません)
旧浄水場の内部は、掲載した写真からもわかる通り、とてもモダンな造りをしています。外観の簡素な雰囲気からは、想像もできません。正面玄関から内部に入ると、左右に浄水槽(沈殿槽)が並んでいます。新施設が稼働したあとは閉鎖されたままで換気もされていないので、湿気が激しく、内壁の痛みも激しいのですが、それでも旧態をよく残していると思います。
廊下の天井(上掲)と、廊下の床面(下掲)に、それぞれ趣きの異なった方位盤が設置されています。駅舎の天井などにときどき、このような方位盤を見ることがあるのですが、それがどのようなものか、わからないです。公共施設には概ね、このような方位盤を付けることが流行していたのでしょうか。
廊下の両脇には、当時使われていたであろう計器類などが残されています。これらの一つひとつが、貴重な産業遺産と言えるのではないでしょうか。マニアには垂涎の計器類かもしれません。
今回は特別に、地下1階、地下2階も観ることができました。地下2階になると、地上1階と比べて室温が2-3℃も違います。この日は暑い日だったので、ひんやりしましたが、湿度も高いので、予想以上に蒸し蒸ししていました。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者みずから撮影したものです。