(服部光平 「『さとぽろ』創刊号表紙」、1925年(大正14年)、北海道立近代美術館)
★創刊90年『さとぽろ』とその時代 詩・版画・都市のモダニズム 展
北海道立近代美術館、2015年12月19日(土)-2016年3月21日(月・祝)
1925年6月、札幌で詩と創作版画の雑誌が誕生しました。その名は、『さとぽろ』。創刊同人は外山卯三郎(とやま・うさぶろう)、斎藤護国(さいとう・ごこく)、伊藤秀五郎(いとうひでごろう)、服部光平(はっとり・こうへい)、宮澤孝(みやざわ・たかし)、相川正義(あいかわ・まさよし)、宮井海平(みやい・かいへい)、伊藤義輝(いとう・よしてる)。彼らは北海道帝国大学(現・北海道大学)の学生と教師。自画・自刻・自刷りの版画を貼りこみ、詩やエッセイにより構成した、珠玉の雑誌でした。1929年、通算29号を最後に終刊し、活動期間は約4年という短いものでしたが、美術と文学はもちろんのこと、音楽、演劇、建築など、さまざまな芸術の最新の動向に敏感に反応し、雑誌の刊行以外にも、展覧会、舞台、コンサートなどの活動を積極的に展開。『さとぽろ』は、1920年代後半の札幌における先鋭的な芸術動向をリードする、意欲的な運動体でした。
本展は、芸術雑誌『さとぽろ』の全貌を紹介してその活動の軌跡を跡付けるとともに、代表的な創作版画を中心に展示。また、雑誌交換をおこなったことが確認できる、他の芸術雑誌をあわせて紹介し、日本の戦前の芸術雑誌の潮流における、『さとぽろ』の位置をうかびあがらせます。
さらに、『さとぽろ』に途中から参加した建築家・田上義也に焦点をあて、田上が『さとぽろ』の人脈とのかかわりの中から生み出していったモダンな建築や、住宅のために設計された家具も展示。札幌というモダン都市に根ざした芸術活動としての『さとぽろ』の性格を浮き彫りにします。
本展は、『さとぽろ』創刊90年を記念して開催するもので、北海道立文学館「『さとぽろ』発見 大正 昭和・札幌 芸術雑誌にかけた夢」展(2016年1月30日~3月27日)と連携して企画するものです。本展ならびに文学館「『さとぽろ』発見」展をあわせてご覧いただくことにより、芸術雑誌『さとぽろ』を、よりゆたかに味わっていただくことができるでしょう。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。
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