(室蘭市の古刹のひとつ、輪西光昭寺。本堂は1927年(昭和2年)の建築)
★光昭寺 本堂 (室蘭市)
1910年(明治43年)真宗本願寺派の輪西説教所として設立されています。1927年(昭和2年)に現在地に移転され、その際にこの本堂も落成しています。同市證誠寺を建築した気仙大工の花輪氏が手掛けています。本堂設計時は2倍の規模を計画していたらしいですが、大正期の不景気のために計画の縮小を余儀なくされ、用意していた木材を泣く泣く半分に切って建築に当てたという逸話が残っています。
建築材にはヤチダモの木材が用いられています。大改修から小さな修理まで毎年のように手がけられており、維持の苦労は相当だと思いますが、「不景気の中で建設した先人の苦労を思うと、安易に建て替えることはできない」と、ご住職の橋本昭道氏は語っておられます。
1927年(昭和2年)建築の本堂は、入母屋造り。修復を重ねながら、昭和初期の建物を維持してきました。大屋根は1993年(平成5年)にトタン屋根から銅板瓦葺きとなり、重厚感が増した印象です。堂々とした風格は、輪西の歴史を雄弁に語っているようにも思います。
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