(高麗橋ビルディング。旧大阪教育生命ビル。1912年(明治45年)の竣工)
★高麗橋ビルディング(=旧大中証券、旧大阪教育生命保険ビル、オペラ・ド・メーヌ)
(WEBサイト→)https://operadomaine.com/
こちらの建築物は、大阪市中央区高麗橋にあり、日本近代建築の父とまで言われる辰巳金吾・片岡安(やすし)(辰野片岡建築事務所)による設計。高麗橋周辺は、大阪市の中でも古くから中心街であり、商業地域である船場の一角に当たります。1912年(明治45年)に竣工されました。赤煉瓦の外壁に、白い花崗岩を貼ってボーダーラインを作り強調するデザインは、まさに「辰巳形式」で、東京駅駅舎(1914年)や日本銀行本店、大阪市中央公会堂(1918年)などにも酷似していますよね。煉瓦はイギリスから取り寄せたものが使われており、建物の角隅は曲線を描き、交差点の角、円筒部分に玄関を置いています。重厚な石飾りの意匠や、金属板の勾配屋根の明かり窓がアクセントとなっています。
(屋根に見られる3連ドーマー窓。左側奥に煙突が見えています)
屋根面は銅板の青緑色とのコントラストが秀逸。煙突とドーマー窓は3連でリズムよく配置されており、明治時代後期の風格ある外観を残しています。大阪大空襲や阪神淡路大震災にも耐え、重大な欠損もなく
内部は、かつては「シエ・ワダ」高麗店が入店していましたが、現在では「オペラ・ド・メーヌ」というウェディング式場と、フレンチレストランが入店しています。内部は綺麗にリニューアルされ、古くからの雰囲気は若干失ったそうですが、現在も生かされています。
(正面玄関の上部に置かれた社章の装飾がとても誇らしいですね)
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
(建物は交差点の角地に玄関を配置。玄関上部にはステンドグラスが飾られています)