★第６９回 春の院展 札幌展
札幌三越、２０１４年５月７日（水）－５月１２日（月）
「院展」の名で親しまれる日本美術院は、１８９８年（明治３１年）、岡倉天心の指導理念のもとに橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草を含む２６名の正員によって始められました。岡倉天心の理念は、日本文化の伝統を踏まえ、文化財を保護し、かつ芸術を奨励して、未来に繋げる道を指し示すというものでした。一時、経営難から、その研究所を茨城県五浦に移しましたが、１９１３年（大正２年）岡倉天心が逝去したのち、翌年の一周忌に横山大観らによって日本美術院が再興されました。その再興の綱領は「芸術の自由研究を主とす。故に教師なし先輩あり。教習なし研究あり」と宣言するものでありました。爾来、近代日本画の革新を目指し、創立の精神を軸に研鑽を重ね、独自の発展を遂げてきた大きな美術団体です。在野の研究団体が、その芸術活動を１１０余年に亘って継続し続けた例は、世界的にも稀有なことであります。先人の刻苦精励によって築かれた光輝ある伝統は、結果として近代日本画の歩みでもあります。近代日本美術の歴史の中でひときわ光芒を放つ日本美術院の姿を正しく伝えることは、きわめて意義深いものであり、美術界に貢献できるものと確信しております。本展の出席同人は、福井爽人、菊川三織子、宮北千織の諸氏の予定です。
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