★マルク・シャガール 『秋』
大阪市/ニューオーサカホテルにて常設展示
「観るだけ美術部」部長は、2019年2月に大阪市を訪れることになりました。今回はその予習も兼ねて、鑑賞する予定を立てている「ニューオーサカホテル」のマルク・シャガール『秋』を紹介します。こちらの作品は、もちろん原画。ホテルの西玄関を入ってすぐのところに飾ってあるのですが、説明書きもないので、素通りするお客さまも多いそうです。同ホテルには、ほかにもシャガールの『麗しのビテブスク』なども展示されているのですが、これらは当時のオーナーが個人的に収集したものだとか。シャガール展などが開催されたときには、こちらから貸し出されることもあるそうです。
残念ながら、制作年代などは調べ上げられませんでした。ただ、画風はシャガール独特の浮遊感を存分に感じさせてくれる作品ですね。全体的に画面は明るく、中央には空に浮かぶ女性が描かれています。画面右側には太陽が明るく大きく描かれていて、さらに左上と右下、左下には、カップルやファミリーが束の間の休日を楽しんでいます。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ニューオーサカホテルさま(HP)よりお借りしました。
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シャガールの故郷ビテブスク(ヴィテブスク)市は、帝政ロシア領(現在のベラルーシ)の活気ある港町でした。シャガールは、この町の素朴な風景を好み、愛情と懐かしさを込めて繰り返し描いています。この作品には、母親らしき女性と、その子どもであろう幼な児が描かれています。その背後には牛(山羊かな?)が描かれています。生命の営みを感じさせる作品です。ビテブスク(ヴィテブスク)市は、ユダヤ人の多い地域で、シャガール自身もまた東欧系ユダヤ人でもありました。のちに、ユダヤ人の子どもたちが迫害されていく受難の歴史を目の当たりにしてきたこともあり、この作品にはユダヤ人への鎮魂の思いを描いているのかもしれません。描かれている女性は、一説としては、生涯ひとすじの愛を貫いた妻ベラかとも言われています(シャガールは「愛の画家」とも言われています)。。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ニューオーサカホテルさま(HP)よりお借りしました。
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