(「郷の駅 ほっと・きもべつ」建物入口の付近に飾られていました)
★旧喜茂別産業組合 倉庫社章(喜茂別町)
こちらに掲載した石版には、「産」という観字が刻まれています。これは札幌軟石で、石造倉庫の壁面に「喜茂別産業組合」を示すマークとして組み込まれていたものだそうです。
1938年(昭和13年)に、大正8年創業の「保證責任喜茂別信用購買販売利用組合」(通称「産業組合」)が、開拓者でもある組合員の努力により、当時の田舎町では見ることができない石造り2階建て、瓦屋根といった倉庫が建築されました。この石は札幌軟石と呼ばれるもので、当時は交通の難所とされた中山峠を越えて運ばれたもの。個体によって石質が異なることから、切り出された時代や場所が違うことがわかりました。また、石の厚さが基準の半分程度であることから、その強度を補うため、木材と漆喰で補強されていました。瓦屋根としたことについては、当時は柾葺き、板壁が主流であったのですが、防火を配慮し、当時の北海道では珍しいから輪を採用したものと思われます。ちなみに1948年(昭和23年)喜茂別市街の半分を焼き尽くす耐火がありましたが、この際にこの倉庫が猛火の壁となり延焼を防いだとも言われています。
平成18年に役目を終え、倉庫は取り壊されましたが、喜茂別町ではその歴史を尊重したいとの思いが強く、社章の部分だけでも残そうということになり、こうして飾られることとなりました。(2013年11月、現状を確認)
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
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