(朝早くに着いてしまったので、開店前でした。苫小牧市が誇る、第一洋食店さん)
★第一洋食店 (苫小牧市)
苫小牧市を代表する洋食屋さんです。創業は1919年(大正8年)だそうですから、北海道では屈指の老舗ということになります。この日は到着が朝早くて、まだ開店時刻にはなっていませんでした。この次こそは、ここの看板メニューでもあるビーフシチュー(2,000円)を味わってみたいものです。
(木彫りの店名看板が、何とも素敵じゃありませんか。老舗の貫禄も感じさせます)
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
(窓辺にはお花が飾られているなど、雰囲気たっぷり。華やかで小粋で、おしゃまな感じが漂っています)
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★参考記事 (『北海道新聞』 味彩ファイル)
「ドアを開けると、乳白色の窓ガラスから柔らかい日差しが差し込んでいた。1919年(大正8年)創業の老舗で、今は3代目の山下明さん(66)が腕を振るっている。
明さんの祖父・十治郎さんは明治前半に横浜グランドホテルで西洋料理を修業。明治後半、北海道に来て、札幌の豊平館や苫小牧の王子製紙のクラブでシェフを務め、独立。のちの大正天皇に、料理を作ったほどで、大いに腕を認められていた。
その伝統を受け継ぐのが、この店のデミグラスソース。これを使った熱々の「ビーフシチュー」を口に運ぶ。まろやかに舌を包む繊細なうま味と香りに驚かされ、思わず目を閉じて余韻に浸る。牛肉からとったフォン(だし汁)の深いコクとすっきり感もあり、雑味は少しも感じられない。
煮込まれた牛バラ肉は、口の中でほろりと崩れ、溶けるようだ。ニンジン、ジャガイモ、マッシュルームなどの自然な甘みもうれしい。
「19世紀フランスの作り方そのまま」というコロッケは、ジャガイモを使わない。中身は、煮込んだ牛肉とその煮汁から作る。クリーミーな舌触りと牛肉のやさしい味わいが、口の中にゆっくり広がった。
「料理レシピはなく、舌が覚えています。ビーフシチューのもとは、仕込みから2週間かけて仕上げ、さらにアクを取りながら牛肉を5時間煮込みます」と、明さん。「手間と時間は惜しまない」が家訓だそうだが、効率重視の世の中にあり、これぞ本物ではあるまいか。
「うちの料理は、古い文化が東京のような大都市ではなく、地方のような周縁に残る、文化の伝播(でんぱ)の一例でしょうか」。屈託のない明さんの笑顔には、明治の気骨が引き継がれていた。 」
その伝統を受け継ぐのが、この店のデミグラスソース。これを使った熱々の「ビーフシチュー」を口に運ぶ。まろやかに舌を包む繊細なうま味と香りに驚かされ、思わず目を閉じて余韻に浸る。牛肉からとったフォン(だし汁)の深いコクとすっきり感もあり、雑味は少しも感じられない。
煮込まれた牛バラ肉は、口の中でほろりと崩れ、溶けるようだ。ニンジン、ジャガイモ、マッシュルームなどの自然な甘みもうれしい。
「19世紀フランスの作り方そのまま」というコロッケは、ジャガイモを使わない。中身は、煮込んだ牛肉とその煮汁から作る。クリーミーな舌触りと牛肉のやさしい味わいが、口の中にゆっくり広がった。
「料理レシピはなく、舌が覚えています。ビーフシチューのもとは、仕込みから2週間かけて仕上げ、さらにアクを取りながら牛肉を5時間煮込みます」と、明さん。「手間と時間は惜しまない」が家訓だそうだが、効率重視の世の中にあり、これぞ本物ではあるまいか。
「うちの料理は、古い文化が東京のような大都市ではなく、地方のような周縁に残る、文化の伝播(でんぱ)の一例でしょうか」。屈託のない明さんの笑顔には、明治の気骨が引き継がれていた。 」