(ブルグン、シュヴェーラー商会 『(エミール・ガレの工房のデザインに基づく)「筆立」』(部分)、1884年)
★(当館学芸員) 「至高のガラス芸術」
北海道立近代美術館、2015年5月9日(土)、23日(土)、6月6日(土) 14:00
ヨーロッパ随一のガラス・コレクションで知られるデュッセルドルフ美術館。実業家ゲルダ・ケプフ夫人が30余年にわたって収集した第一級のアール・ヌーヴォーのガラス作品群をまとめて同館に寄贈したのは1998年のことです。
19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスを中心に幅広い分野で花開いたアール・ヌーヴォー様式は、ガラスの分野でひときわ華やかな光彩を放ちます。ケプフ・コレクションでは、アール・ヌーヴォーの源泉として重要な役割を果たしたジャポニスム(日本趣味)を色濃く反映したウジェーヌ・ルソーやウジェーヌ・ミシェルなどパリのガラス工芸家たちの質の高い作品群がまず注目されます。そしてドイツ国境に近いアルザス=ロレーヌ地方のナンシーで、同様に東洋美術に傾倒しながら深い芸術表現の可能性を切り開いたエミール・ガレ。さらにガレに強い刺激を受けて同時代を並走するドーム兄弟。そして彼らの仕事を支えながらも独自の制作に挑んだデズィレ・クリスチャン、ミュレール兄弟などのデザイナー、職人たち。バラエティに富む作品選定の中に夫人が感動し、学び、発見していった強いまなざしを感じとることができます。
本展では、ケプフ・コレクション130余点を一堂に紹介します。現代にまでつながる新しいガラス芸術の創造の軌跡を、心ゆくまでお楽しみください。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。
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